河上和雄さん逝去 

日テレの報道番組バンキシャで歯に衣きせず痛快なコメントや批判を10数年以上語り続けた河上和雄さんが2月7日亡くなった。81歳だった。

 元東京地検特捜部長という紹介でテレビ出演をされていたが、河上さんの素顔は『鬼の特捜検事』というより、ヒューマンなリーダーだった。

 私は昭和五十年代に法務大臣官房会計課長をされていた河上さんの部下として二年余り仕え、昭和の終わりと平成のはじめには法務省矯正局長の河上さんに監獄法改正を踏まえた法令整備のプロジェクトチームの一員として重要な大きな仕事をさせてもらった。

 

 2015.2.14写真

 【写真説明】昭和63年、河上さんが矯正局長当時の法務省。赤レンガが大臣室、官房、刑事局などが入る本館。奥の灰色の鉄筋コンクリート七階建て別館4階が矯正局。

 

私が作家を目指して46歳で広島拘置所総務部長の職を辞した時には、既に退官され弁護士登録された河上さんに呼びつけられた。

「お前が矯正の職を投げ出したことは残念だ。ポリシーがない所長ばかりになってしまったが、何人かに期待していた。その一人がお前だったのだが」

と身に余る言葉をもらった。

 河上さんは若い職員にも女子職員にも絶大な人気があった。検事らしくない穏やかな優しい目をした人だった。

「神田のテイラーの次男坊で、兄貴は作家の三好徹だ……」と官房会計課長時代に自分の話をしてくれたのを覚えている。

今一度、河上語録を熟考してみようと思っている。

そして、今後の執筆に活かし、河上さんが憂いたこの国の未来を少しでも良くする方向に導く努力をしたい。

 

 

 

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